Lens Impression
1906 年、ウッド(R.W.Wood)は論文「Fish-EyeViews, and Vision Under Water」において、水を満たしたバケツの底に写真乾板を置き、バケツの約半分の高さにピンホール絞り付きの短焦点レンズを置いたカメラで「外の世界が魚にどのように見えるかを」という試みを発表しました。論文のタイトルが「Fish-Eye
Views, and Vision under Water」であったことから、その後「魚眼レンズ」という名が生まれたとされています。
ウッドの研究を契機に、各社で全周画像レンズの研究がなされます。その一つの目的が天候観測用カメラの改善でした。従来、全天を捉えるためには複数の写真を撮影し、組み合わせなくてはいけなかったのです。
1924年にベックBeck社のヒルR.Hillが一枚で全天が写る画期的なレンズを発明しました。それが「Hill Sky Lens」です。
使用目的が空を向いていたためか?、このレンズには魚眼という言葉は使われていません。(魚眼が正式に使われたのは1930年代の日本光学ともいわれますが、正確なことはわかりません)
ヒルのSKY Lensは様々な種類が作られましたが、おそらくその最小のものが今回取り上げるレンズだと思われます。
撮影画像は「円形」です。画角が180度あるため、このα7Cでは必ずグリップが写り込んでしまいます。従ってカメラの持ち方は、裏側からカメラの上下をそっと摘まむという形態になります(笑)。
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