Lumiere Brothers Cinematograph lens c53mm
 

Lens Data

Lens Unit

Lens Photo

・製造メーカー : Lumiere 兄弟
・製造年 : 1895 年頃
・特許番号 : 仏245032(US579882)
・特許申請日 : 1895 年2 月13 日
・レンズ構成 : 2 群3 枚(想定)
・焦点距離 :52-53mm
・重量 : 98g(L39)
・最小絞り値 : f5.6 とf8 の絞りを製作
・絞り枚数 : ドーナツ円盤落とし込み
・最短撮影距離 : 1m(改造後)
・マウント : ライカL39 に改造


リュミエール兄弟のシネマトグラフ・カメラの特許は1895年2月13日に交付されています。
それは、1894 年にパリで行われたエジソンのキネトスコープの一般公開を鑑賞した父アントワーヌから映写型の機器の開発の指示が出されてから、わずか「1 年足らず」のことでありました。まさに、驚異的なスピードと言わざるを得ません。 
しかもシネマトグラフカメラは、映写型の特徴だけでなく、軽量で多機能(撮影、映写、焼付)という大きな進化も遂げていました。
推測に過ぎませんが、リュミエール父子には以前からかなり動画に関する研究の積み重ねがあったのではないかと思われます。初期のフィルムも自社製のものでありましたし、1890 年に弱冠26 歳でエチケット・ブルーという新しい乾板感光材を開発した、弟ルイの優れた技術力という点も大きな原動力だったものと考えられますね。 

今回この項で取り上げるレンズは、まさにこの最初期型シネマトグラフ・カメラに装着されていたレンズで、上の画像のカメラ前面に装着されている黒く小さいレンズと同型のものです。レンズ構成は極めてシンプルで、前群が2枚貼り合せダブレット、後群が1枚のメニスカスレンズとなっています。ソフトレンズとして有名な米Wollensak社のベリートVeritoレンズの構成を前後逆にした形であり、絞り開放では今回のレンズもかなりソフトです。作例は絞りf5.6相当の円盤絞りを入れていますが、それでもソフト感は十分に残りました。

さて、発売後大きな人気を博したシネマトグラフですが、リュミエール社のシネマトグラフカメラの管理は極めて厳重でした。

カメラは一切市販されず、同社が独占的に管理をし、撮影・上映する場合は代理人を通じて同社の技師が器具を持参して行うという限定的なものでしたが、エジソンのキネトスコープと異なり、スクリーンに映し出された動く映像には多くの観客が訪れリュミエール社は大きな利益を上げました。 
ところが、人気が高まるにつれて、問題も顕在化してきます。一つは競争の激化です
。エジソンのヴァイタスコープに始まり、ヴァイオグラフ、クロノフォトグラフ、シアトログラフ、シネマトグラフxxx など多くの類似品が参入し、リュミエール社の需要独占状態はまもなく危うくなってきました。
さらに、需要の拡大とともに、技師の供給不足によりスケジュールや品質管理が十分にできなくなってきてしまいます。 
1897 年、リュミエール社は代理人による独占管理を止め、機器とフィルムの一般販売を開始します。ところが、その頃にはすでに競合社の機器も改良が進んでおり、本家シネマトグラフよりも性能が高い機器が流通していることなどから、機器の販売も順調とはいえない結果となり、1905 年、リュミエール社はシネマトグラフの特許をPathe 社に譲渡し、映画製作を中止。あっさりと映画活動の表舞台から退場してしまいました。


 Photos with Lumiere lens
 
Comment
2025
nara
(奈良)
久しぶりの奈良です。長年住んでいる友人に連れられて、奈良町から南に下がり、斑鳩の法起寺に出向きました。
法起寺は周囲にビルなども建たず、相変わらず畑に囲まれて、懐かしくも素晴らしい景色の中にいてくれました。
奈良の街並みは、京都とは全く異なり、石垣に白壁、黒瓦が多く、長い歴史を感じさせてくれます。
2025
kyoto
(京都)
思い立って京都に旅立ったのがちょうど21日でした。東寺で弘法市が開かれていることを思い出し、20年以上ぶりに出かけてきました。
ゆるやかな春の日差しが暖かかったです。
以前と全く異なるのは外国人の多さですね。しかも店で買い物をしている人は多くが外国人のようです。日本でのお土産としてはちょうどよいのかもしれません。
帰り道にはきれいに彩色された道端のお堂の大日如来石像や路地も楽しみました。
次の日は長徳寺のオカメ桜を拝見。花の密集度がすごいですね。
2024
asakusa
(浅草)
夏の日差しの強い日、浅草吾妻橋を超えて下町を散策しました。強い日差しのハイライトがきれいに滲んで、さらに夏らしさを強調しているようです。
 
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